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本の要約、メモ、書評など。

<第一回>ベルクソン『意識に直接与えられたものについての試論』を読む

 

 ふだん、私たちは、ある感覚と別の感覚を比較し、この苦しみの方があの苦しみより大きいとか、今日の悲しみはあの日の悲しみの二倍だとか言ったような形で、感覚を大小の量的な仕方でとらえています。ベルクソンは、このような感覚を量的に考えることはまったくの錯覚であると批判します。我々の感覚の間にあるのは大小の量的な差異ではなく、「本性上の質的な差異」だ、と。どういうことでしょうか。

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はじめに

はじめまして。本ブログでは、主に読んだ本について、要約、感想、書評等をつらつらと書いていこうと思います。これまでインスタで読書記録を残していたのですが、インスタでは書ききれないことも多く、そもそもインスタというフォーマットで長文をだらだら書くのも変だろう…ということで、好き勝手長文を書きまくれるブログで好きなようにやっていこうと思います。

とりあえずは哲学書ののんびり読解でもやろうと思います。近いイメージは仲正昌樹の『入門講義』シリーズなのですが、別に私は哲学科出身でも何でもない素人なので、そこらへんはご承知おきください。

ちなみに、ベルクソン『意識に直接与えられたものについての試論』からスタートする予定です。ベルクソンの良い入門書がなかなか見つからず、特に『意識に~』にフォーカスした註釈書が管見の限りほとんどなかったため、読むのに苦労したから…というごく個人的な理由です。ですので、私のような素人にも理解できるような平易な記述で『意識に~』を読解する、のがとりあえずの記事の目的です。ベルクソンを読むきっかけとして使っていただければありがたい限りです。 以上。亀更新になると思いますがどうぞよろしくお願いします。